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サイエンスキャンプの思い出

毎年行われているセキュリティ&プログラミングキャンプ(セプキャン)が今年も行われた:
http://d.hatena.ne.jp/hyoshiok/20110816
こういうイベントを見ていると、最近の子は羨ましいなと思うわけだが、 よく考えると私もこの手のイベントに参加したことがあった。サイエンスキャンプというイベントだった。ちょっとググッてみたら、今もやっているらしい。高校生を国立の研究機関などに3日くらい行かせて、科学の最前線を見せようというものだった。

私は、理由は忘れてしまったのだが、埼玉の理化学研究所を選んだ。今もそうだと思うが、当時、そこではDNAやタンパク質の構造解析を行っていた。解析にはコンピュータが使われていて、たぶん私はそこに興味を持ったのだと思う。まだ、バイオインフォマティクスなどという言葉も聞いたことがなかった頃だ。

NMRを使ってアミノ酸の構造を解析し、立体構造を推定するというデモを見せられた。ちなみに、その時使われていた計算機はシリコングラフィクスのO2であった。ただのパソコンオタクだった私はNMRが何なのかも理解できなかったが(研究員の方にかなり丁寧に解説していただいたが、それでもわからなかった)、科学の最前線を感じることはできた。

この時の経験が影響したのかわからないが、大学・大学院ではNMRの大家に師事し、化学・生物学へのコンピュータの応用を研究した。この頃、バイオインフォマティクスとか盛んに言われるようになった。結局、就職して全く別の方面に進んでしまったのだが、それでもサイエンスキャンプは私の青春のいい思い出だ。

さて、今回のセプキャンといいサイエンスキャンプといい、ともに若者、とくに10代の子たちにこうした経験をさせることはすごくよいことだと思う。

10代の子たちは、生まれた時から失われた20年である。私はかろうじて失われた10年世代で、まだバブルの雰囲気を引きずる時代で育ってきた。しかし、今の子は、物心ついた時から不景気だ不景気だと言われ、緊縮財政だとかムダ遣いをやめろとか、挙句にスーパーコンピュータはいらないとか言う政治家もいる。

こんな時代では、若者は夢が持てない。想像力を働かせることができない。大志を抱くことができない。今の若者はどーのこーのと言う大人がいるが、そんなの当たり前だ。

では、どうするか? それは、若者に投資することである。若者への投資といえば教育ということになるが、従来の意味での教育からは少し視点を変えて、若者の夢へと投資するのだ。

セプキャンもサイエンスキャンプも、これは若者の夢への投資である。大人たちは、科学技術の最前線を見せることで、「私たちはここまで来た。アナタたちは何をするか?」という質問を若者へ投げかけることで、若者の想像力を喚起する。

理化学研究所で私についてくれた研究者の方は、当時30歳過ぎくらいの方だったと思う。私もその年齢に近づいてきた。私もそろそろ投資家の側に回る時がきたのだと思う。もちろん、私は技術者としてはまだまだ未熟だと思う。しかし、それなりの経験はしてきたつもりだ。セプキャンなり何なり、私も、若者と過ごす活動ができたらよいと思う。