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テクノロジーを感じる

新しいKindleが発表された。デザインを一新してキーボードのなくなったKindle、タッチパネルを搭載したKindle Touch、そしてAndroid搭載のKindle Fire

今回の発表の目玉はやっぱりKindle Fireだ。Android搭載Kindleはずっと噂されていたわけだが、まず、とにかく安い。iPadなんかよりもずっと安い。

そして、コンテンツ。これまでのKindle事業Amazonのコンテンツは十分だ。加えて、映像や音楽もやるという。Amazonは、Kindle Fireという端末を通して、あらゆるコンテンツを供給しようとしている。

さらに、Kindle Fireに搭載されるブラウザとして発表されたAmazon Silk。これまでブラウザ側で行っていた処理をクラウド上で行って、ブラウザに送信するという仕掛けになっているらしい。これで、Amazonクラウド事業Kindle事業がひとつにつながったわけだ。

今回の発表で私が感じたこと、それはAmazonはテクノロジー企業だということ。ただのネット本屋ではない。私のような技術屋は、製品やサービスそれ自体ではなく、その後ろにあるテクノロジーを見てニヤニヤしてしまう。逆に言うと、Amazonは、そういう後ろ側のテクノロジーをさりげなく見せてくる。

これは、AppleGoogleについても言えることだ。彼らも、自分たちがテクノロジー企業だということを自覚している。彼らの製品やサービスにはテクノロジーを感じる。テクノロジーは、彼らのアイデンティティの一部なのだ。

一方、最近の日本企業はといえば、少なくとも私はニヤニヤできていない。ゲーム業界なんかでは素晴らしい製品があるのかもしれないが、ゲームをやらなくなって久しい私にはよくわからない。少なくとも、3DSにテクノロジーを感じることはできなかった。ゲームで3Dというのは、昔ながらのアイディアである。

日本が世界に誇る工業製品といえば、自動車がそうだろう。日本は、EVやHVではかなり先行している。日本のEV、HVの需要は、世界市場の半分を占めるという。HVなどは、市場に投入されてからかなり時間も経っており、多くのオーナーたちがHVのあまりの燃費のよさに感動していることだろう。

しかし、私は日本のEVやHVにはテクノロジーを感じることができない。なぜか?

日本の自動車会社はうまくやりすぎたのだ。彼らは、従来の自動車を置き換えるものとしてEVやHVを設計してしまった。それも、誰にも気づかれないよう、こっそり置き換えてしまった。背後にあるテクノロジーを、製品の中に隠蔽してしまった。

どちらがよいとは一概に言うことはできない。Amazonのようにテクノロジーを感じさせる製品やサービスを作るか、あるいは日本の自動車会社のようにテクノロジーを製品の中に隠蔽してしまうか。

少なくとも私は、Amazonのようにテクノロジーを感じさせてくれる製品が好きだ。だから、きっとKindle Fireは買ってしまうだろう。日本語コンテンツが充実すれば、の話ではあるが。